【原題】The Trail
【仮題】アパラチアの山で見つけた宝物
【作者】Meika Hashimoto
【出版社】Scholastic Press
【刊行時期】2017年8月
【著作権】作者
【ページ数】ハードカバー229頁
【ジャンル】児童文学/山(対象:小学校高学年以上)
作者について
Meika Hashimoto
児童文学作家。メイン州の山中で育つ。ハイキング、登山が好きで、世界中の森や山を歩いてきた。現在はニューヨークで児童書の編集をしている。Scaredy Monster, The Magic Cake Shop、A Tale of Two Gardens、『トイ・ストーリー』シリーズ、『バービー』シリーズなどの著作がある。2020年10月に新刊Kitty and Dragon (Volume 1) が出る。
あらすじ
12歳の少年トビーは夏休みにアメリカ東部のアパラチア山中を縦断するトレイルをひとりで歩くことにした。ほんとうは前年の夏、友達のルーカスと一緒にその道を歩くはずだった。ところが、旅の直前にルーカスは事故に遭い、帰らぬ人となってしまった。両親が離婚したあと、ヴァーモント州に住む祖母の家に預けられたトビーにとって、ルーカスとの友情はかけがえのない大切なもので、友を失った悲しみは大きかった。トビーはルーカスと決めたゴールまで440マイルの道のりを歩き切り、2人の夏休みの計画をなんとしても達成したかった。
旅の途中、トビーは体力の限界や悪天候、険しい山道にくじけそうになりながらも、親切な人たちに助けられ、新しい親友となる犬のムーズとも出会って、友を失った悲しみから少しずつ立ち直っていく。
解説
こちらは昨年出版社にレジュメを持ち込んだものの、あえなく敗退した作品です。アパラチアン・トレイルについて調べていたときにこの本と出会いました。作者はメイン州のシイタケ・ファームで育ったそうで、日系のお名前に惹かれて読み始めましたが、作中、登場人物の人種に関する言及は特にありません。
大自然の中を何日も歩き続け、さまざまな困難と向き合うことで、悲しみから立ち直り、成長していく少年の物語は希望を与えてくれ、勇気が湧きます。私自身、歩くことが大好きで、大自然の中を歩くという行為には、悩みごとや悲しいことを忘れさせてくれる効用があると実感しています。
ブログに掲載するにあたって作品について改めて調べたところ、映画化の予定があることがわかりました。2019年の『Variety』誌の記事(英語)に詳細が出ています。その後、世の中の状況が大きく変わったので、順調に進んでいるかどうかは、今のところ不明です。
詳細なレジュメあります。